しあわせだから笑うのか、
笑うからしあわせなのか。
悲しいから泣くのか、
泣くから悲しいのか。
それは、
どちらでもあると言える。
だけど、
カラダに起きたことは、
かならずココロにもあらわれる。
カラダが楽しいなら、
ココロも楽しい。
カラダが楽しくないなら、
ココロも楽しくない。
カラダを大事にすることは、
ココロを大事にすること。
カラダを大事にしないことは、
ココロを大事にしないこと。
世界にひとつだけの私のカラダ。
いつくしみながら生きたい。
いい加減にあつかわずに、
いつくしみながら生きたい。
そうすることで、
ほかのどこにもない、
たったひとつの、
しあわせのカタチができていく。
・ ・ ・ ・ ・ ・
財団法人日本性教育教会の1999年の調査によれば、高校生のセックス経験率は男子で約27%、女子で約24%。1974年の調査開始以来、年々セックス体験が早期化しているようです。(※文末注釈参照)
そういえば、ドコモの公式コンテンツ(※文末注釈参照)で恋愛相談をはじめてから、10代の方からのご相談がグンと増えてきたのですが、やはりセックスの相談がとても多いですね。「どうしたら気持ちいいセックスができるの?」とか、「好きじゃない人とセックスするのはなぜ悪いんですか?」とか。
考えてみたら、思春期って、心も身体もいちばん変化する時期なんですよね。男の子は男性ホルモンが分泌されることにより性器が発達したり精通が生じたり、声変わりしたり。女の子は女性ホルモンの分泌により月経がはじまったり、まるみをおびた体型になっていったり。セックスにも興味しんしんの時期だったりするわけです。
10代の方からの相談内容を見ながら、最近ふと、心配になることがあります。「好きってわけじゃないけどセックスしちゃったの」とか、「ブランド物を買ってくれたから、セックスしちゃったの」とか。好きでもない相手と、お手軽なセックスをしている人がとても多いんです。
実は、このような状況は、10代の男女にかぎったことではありません。20代、30代の方にもとても多いのです。私が以前100人の女性(20~30代)にリサーチした結果でも、恋愛感情のない男友達や元彼とセックスをしたいと思ったことのある女性が70%近く、実際にセックスをした女性は約50%もいました。
その理由はいろいろで、「寂しさをまぎらわすため」だったり、「単純に快楽を求めていたから」だったり、それなら本人が求めていた行為だからまあよいのですが、心配なのはやはり、「モノやお金のためにセックスをしている」というパターン。つまり売春のような行為をしている女の人たちです。
先日、24歳のある女の人のお話をうかがう機会がありました。その女の人は、茶色のセミロングのストレートヘアがサラサラときれいな、活発そうな美人。女の私から見ても「もてそう!」と思えるような女の人です。その彼女が、「私ね、セックスフレンドが3人いるんだ」そう話し始めたのです。
しかも彼女は、どの男の人に対しても、まったく愛情を持っていないと言うのです。では、なぜセックスをするのと尋ねると、「会うたびに洋服を買ってもらえるし、お小遣いもらえるから」OLをやっているけれど、ひとり暮らしだから給料だけじゃ生活が苦しい。なんでも買ってくれるセックスフレンドをつなぎとめておかないと。だから、相手が性欲を満たしたいときには、その願いをききいれてあげなくちゃ。そんなお話だったのです。
また、ある38歳の女の人からは、「デリヘルで働いてるんだ」という話をうかがいました。彼女は二度の離婚のあとに子供ふたりを育てているシングルマザー。以前は大企業で営業の仕事をしていたのですが、働きながら子育てすることに疲れ、短時間で稼げるデリバリーヘルスの仕事をしはじめたと言うのです。営業の仕事では生活ができなかったのかと尋ねると、そうではない。「より楽に、短時間で大金を稼ぐために」セックスの仕事をはじめたというのです。
このふたりに共通していたのは、とくにセックスを売らなくても、人並みの生活のできる人たちだったということ。しかし、もっと快適な生活をしたいから、身体を売るのだと。
そして二人はこうも言いました。「今、好きな人がいないんです。好きな人ができたら、今の生活はやめると思うんです。だって、今やっていることは、本命の彼に言えることではないですからね」と。
彼女たちの話を聞いて感じたのは、ふたりとも、毎日を存分に楽しんでいないなと言うことです。ほかの方にも共通することなのですが、お手軽なセックスをしている
人には、あまり楽しそうな人はいないんですよね。人生を前向きに楽しもうとするエネルギーが欠けているんです。
それはきっと、セックス同様、自分の毎日の生活も、お手軽にすませているからではないでしょうか。楽しくないセックスをしていると、心が荒んできます。人間は、身体が楽しくないと、心も楽しめない生き物なんです。ですから、身体を軽んじていながら、日常生活を楽しもうとしても無理な相談なのです。
また、お手軽なセックスをしている人ほど、セックスの結果について無頓着な人が多いようです。複数の人とセックスをしているのに、コンドームもつけない。もしもそれで、性感染症にでもなったらどうするのでしょう。最近では、かつてよくあった梅毒や淋病(性病)などにかわって、クラミジア感染症や性器ヘルペス、エイズなど、性感染症はさまざまあります。セックスをするということは、こうした性感染症と隣り合わせであることを知っておく必要がありますよね。
もしも、妊娠したらどうするのでしょう。女の人の性が解放されてきたのはいいことなのですが、セックスをすれば妊娠の可能性があります。そして、厚生労働省統計情報部のデータでは、年々中絶率が高まってきているというのです。(※文末注釈参照)中絶とは、この世に生まれた命を絶つことです。そして、女性の身体をときには傷つける行為です。
セックスにはそんな側面もある。それを理解したうえで、好きな人とのセックスを楽しむのならいいのだけれど。
そんなことをある知人に話していたところ、知人がこんなことを言いました。「売春をするということは、自分に値段をつけるってことだよね。3万とか5万とか、そんな値段を自分につけていいのかな。ほんとうは人間って、値段なんてつけられないほど素晴らしい価値のある存在なのにね」
そうなんですよね。私たちはみんな、値段なんてつけられないほど素晴らしい存在。あの人がいくらで、私はいくらでなんてつけられない。だから、身体を大事にしてほしいんです。セックスを商売にするまえに、自分自身に問いかけてみてほしいのです。「このセックス、私は楽しめそうかな」って。「この人のこと、私は大好きなのかな」って。
セックスは、人間と人間がもっとも近づいて行なうコミュニケーション。数万円で売るなんてもったいない。大好きな人とのためにとっておいてくださいね。
※このコラムは、2004年頃に10000読者さまに配信していた安藤房子の原点でもあるメルマガ「恋マガジン」の内容をほぼそのまま掲載しています。記事の冒頭で引用した財団法人日本性教育教会の最新データはコチラをご確認ください。
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