好きな人には、
「君がイチバンだよ」
って言ってほしくなる。
彼の本命になりたくなる。
そんなときは、
自分の願望を大事にしてみる。
ナンバーワンをめざすのは、
ちっとも悪いことじゃない。
まずは、めざさないことには、
なにもはじまらない。
ナンバーワンになりたいときに、
闘う相手は、自分の内面。
内面と闘い、自分らしさを磨いて、
オンリーワンをきわめる。
ナンバーワンとオンリーワンは
とても近いところにあるもの。
「彼の本命」
という椅子はひとつだけ。
あきらめないで、
ナンバーワンをめざしてみる。
そして、
オンリーワンになる。
・ ・ ・ ・ ・ ・
SMAPの「世界にひとつだけの花」という歌、あなたは好きですか?私は、正直言うとあんまり好きじゃないんですよね。ナンバーワンを目指している人達を否定しているみたいで。
歌詞をよく見れば否定ってほどではないのはわかるんですが、サビ(曲のいちばん目立つ箇所のこと)のところの「ナンバーワンにならなくてもいい」という歌詞だけが、どうも頭の中でグルグルしてしまいます。
現実社会では、ナンバーワンを目指すくらいの前向きな勢いのある人が恋も仕事もうまくいっています。そして、ナンバーワンをめざした人が、本当のオンリーワンになれるんじゃないかな。私はそんなふうに思っています。
それに、芸能界で当時はナンバーワンの位置にいたSMAPに「ナンバーワンにならなくてもいい」と言われても説得力ないよなあ…というのが正直なところだったのです。お金持ちが「お金なんかいらない」と言っているような、美人が「人はみかけじゃなくて中身よ」と言っているような、そんな矛盾を感じませんか。
ま、この歌の作詞・作曲はSMAPではないですし、いちいち反感もたれても困っちゃうかもしれませんけれど。
ある知人にそんな話をしたら、「でもほら、この曲は大ヒットしたわけだから。それだけ世間に受け入れられているってことでしょ」と。ま、そうなんですけれどね(笑)。
たしかに、この歌を改めて聞いてみると、ちょっと疲れた現代人の心を癒してくれるやさしい言葉がいっぱいつまっていますよね。人はみんなもともとすばらしい才能を持っているんだ。がんばらなくていいんだよ。
そんな意味をこめた言葉たちが軽快なリズムにのって、多くの人の心を癒したのでしょう。とくに、心理学で言うデッドゾーンにいる人たちの心には、ズンズン入ってくる癒しの言葉、なのかもしれません。デッドゾーンとはどういう状態かというと、人間が絶望を感じているときの心の状態のことです。
たとえば、大好きな人から別れを告げられたとき。彼の浮気が発覚したとき。不倫相手が奥さんの元へ戻る決意をしたとき。
そんな恋愛のシーンだけじゃなく、職場からリストラ勧告をされたときや、大きなプレゼンが大失敗したとき、昇進の希望がなくなってしまったときなどなど…。人間が絶望を感じてしまう原因は、日常にごろごろ転がっているんですよね。こんな現実の中、ときどき、がんばることをやめたくなるときも、たしかにありますよね。
だけど、ずっとそのままでもいいのかな? ナンバーワンにならなくてもいいって、心の底から思っているのかな? 本当はナンバーワンになりたいのに、それが無理かもしれないから諦めているだけじゃないのかな?
たとえば、あなたの大好きな人が、複数の女の人とつきあっているとしましょうか。そのとき、あなたはどんな気持ちになりますか。複数の女の人の中でナンバーワンになり、彼にとってのオンリーワンになりたくはないですか?あるいは、その彼とは別れて、「君がイチバン」って思ってくれる人とつきあいたいとは思いませんか?
そう、ナンバーワンになることとオンリーワンになることは、ある意味同じことなんですよね。好きな人から「この人がイチバン好き」と思ってもらえないと、彼にとってのオンリーワンになれないですもの。
そして、人間って不思議なもので、自分で明確にイメージしたことを、実現する力を持っています。「彼にとってのナンバーワンになりたい」と思ったら、努力次第でなれるかもしれない。だけど、最初から「ナンバーワンになれなくてもいい」と思っていたら、なれないものなんです。そう、人間は、自分がイメージしたところまでしか飛べない動物なんです。
つまり、SMAP的な考え方で生きていると、いつまでも悩みの根本は解決しないんです。「やっぱり私、彼にとってのイチバンじゃなくてもいいの。少しでも私の良さをわかってくれるなら。だって、私は彼のこと好きなんだもの」そんな思いでいると、ずっと、都合のいい女から抜け出せなくなってしまうんです。
一般的に、女の人が「ほしい」と思う男の人ほど、女の人にはもてるもの。でも、彼の本命になれるのはひとりだけ。つまり、恋愛には必ず競争が生じます。たくさんの女の人の中から、自分を選んでもらうためには、彼にとってのナンバーワンにならなくちゃいけないんです。
ナンバーワンを目指すといっても、誰かを蹴落とすという意味じゃないんですよね。ライバルの悪口を言うことでもないし、裏工作をすることでもない。自分がほしいものをほしいと自覚して、それを手に入れるために努力をするということなんです。少しでも自分が快適に過ごせるように行動するということなんです。
都合のいい女でいるのが嫌ならば、まずは、彼が自分を選んでくれるように努力してみる。それが無理なら、こちらからサヨナラして、別の男の人を探す。ちゃんと自分のことをオンリーワンでナンバーワンと思ってくれる人を探してみる。こういう行動をとらないと、いつまでも、どろどろとした悩みから抜け出せません。
恋愛という勝負の中でオンリーワンの存在になるには、誰かにとってのナンバーワンにならなくちゃ。そして、ナンバーワンを目指すということは、自分のエネルギーを信じ続けること。目標に向かって生きていくこと。ほしいものはほしいってちゃんと自覚して、それを手にいれるために行動してみましょうよ。ナンバーワンを目指すことは、ちっとも悪いことじゃないんですよ。
※このコラムは、2004年頃に10000読者さまに配信していた安藤房子の原点でもあるメルマガ「恋マガジン」の内容をほぼそのまま掲載しています。
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