出会った瞬間に恋に落ちるときがある。
相手の人のことが、
大好きで、大好きで、大好きで。
まるで病気のように恋してしまうときがある。
そんな「ひとめぼれ」の恋は、
なかなか長続きしにくい。
なぜなら、
ひとめぼれするときって、
自分とまったく違うタイプを
好きになりがちだから。
そして、
自分とまったく違うタイプとは、
結局、性格があわなくて、
つきあいきれなくなりがちだから。
だから、
ひとめぼれした相手との恋を、
長続きさせたいなら、
お互いに協力が必要。
相手を理解する心が必要。
そして、自分自身の人間的な魅力を、
磨き続けることが必要になる。
・ ・ ・ ・ ・ ・
一目会った瞬間に、ドキドキ、ワクワク。
そんな、「ひとめぼれ」の経験はありませんか?
ひとめぼれをしたときって、
「運命の出会いだわ」
なんて思いがち。「ロミオとジュリエット」気分で恋をしているのかもしれませんね。でも、実は、ひとめぼれには、ちゃんとワケがあるのです。
私たちは、はじめて会った人のことを、第一印象で判断します。とはいっても、髪の色や手の形などを個別に記憶して判断するわけではありません。パッと見た瞬間の全体像から相手の印象をつかみ(これをゲシュタルト認知と言います)、「やさしそう」とか「頭がよさそう」とか「パワフルな人」など何らかの印象を持ち、「この人好みだわ」と、一瞬のうちに判断するんです。この、第一印象のときの「この人好みだわ」の気持ちが強いときに、ひとめぼれしてしまうわけなのです。
では、どんな人に「ひとめぼれ」してしまうのでしょうか?
たぶん、自分と似ている人にひとめぼれした経験のある人はほとんどいないはず。生真面目な人は、ちょっと不良っぽい人に、保守的な人は型破りな人に、ほっそりしている人はふっくらしている人に…どこか、自分にはないものを持っている人に魅かれてはいませんか?
そう。ひとめぼれは、自分にないものを持つ相手にしてしまうもの。つまり、劣等感のあらわれなのです。
心理学者のユングによれば、人の性格は、「直感」「感覚」「感情」「思考」の 4つの心理機能に分類されます。私たちは、この4つの中の1つの機能がグーンと発達し、自分の特徴ができあがります。残りの 3つは未発達のままになってしまうのです。そして、私たちは、自分の未発達の部分が発達している人にひとめぼれをしてしまうのです。つまり、ひとめぼれは「運命の出会い」ではなくて、最初から無意識に心にプログラムされたもの、なのです。
そして、ひとめぼれの恋は、長く続かないとも言われています。瞬間的にボーッと燃え上がり、相手がふり向くと冷めてしまう。これはなぜかというと、相手と自分が違いすぎるからです。
恋愛がうまくいくための法則のひとつに「共通性があること」があげられます。
ところが、ひとめぼれの相手とは、最初から共通性がない…。だから、どうしても継続しにくいのです。
ですから、お互いにひとめぼれをしてスタートした恋を継続したい場合には、自分が飽きないようにすると同時に、相手にも飽きられないように注意しなくてはいけません。相手の気持ちが落ちついてきたときにも自分のことを選んでもらえるように、人間的な魅力をいつも高めておくことが必要にるのです。
また、自分がひとめぼれしすぎることで悩んでいる場合には、
「自分はなぜすぐにひとめぼれをしてしまうのか」
を、考えてみると、解決策が見つかるかもしれません。ひとめぼれした相手のどこが好きなのか、ずっと一緒にいられそうな相手なのか、そうではないのか…。
そうして考えていくうちに、自分の恋愛パターンを見つけることができ、同じことをくりかえさなくなるかもしれません。あるいは、
「ま、ひとめぼれもいいもんじゃないの?」
と、自分のことを受容できるようになるかもしれない。
ロミオとジュリエットのような「ひとめぼれ」。その心の仕組みを参考にしながら、素敵な恋をしてくださいね。
※このコラムは、2004年頃に10000読者さまに配信していた「恋マガジン」の内容をほぼそのまま掲載しています。
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