vol.35いくつもの事実

事実はいっこのように見えて、
ほんとうはたくさんある。
ひとつのことを、
よく思う人もいれば、
悪く思う人もいる。
赤いという人もいれば、
白いという人もいる。

そういう意味で、
事実はいっこのように見えて、
ほんとうはたくさんある。
だから、彼と私も、
喧嘩になったりする。
彼がいいと思ったことが、
私には不満だったり。
私が好きなことを、
彼は嫌いだったり。

そうして、
すれ違いが生まれてゆく。

すれ違いを埋めるには、
事実には、
いくつもの側面があるって、
認めること。
おなじ事実でも、
人によって、
受け止め方が違うって、
認めること。

すれ違ったとき、
彼とたたかっても、
何も解決しない。
それより、
自分の内面とたたかう方が、
新しい展開が見えてくる。
彼ともわかりあえるようになる。

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

彼が、自分の思うように動いてくれないとき。
ついついヒステリックに怒ったりしていませんか?

「ちょっと、服をリビングに脱ぎ散らかさないでよ!」と怒鳴ったり。
「まったくあなたは、家にばかりこもってるダメな人よね。たまには外に連れて行ってよ!」と泣きわめいたり。

こうして、彼を責めたてる女の人は、厳格な両親に育てられた人に多いようです。
そして、両親のもとから独立したときに、両親の厳格な部分を受け継いでしまったのです。

でも、彼を責めても、なにも問題は解決しません。

言えば言うほど、彼はかたくなに、あなたの言うことに耳を傾けなくなるでしょう。
責めれば責めるほど、彼はあなたから逃げたくなるでしょう。

ふたりの関係が悪化していくだけです。

彼に自分の要望を伝えたいときには、まずは、彼の存在と考え方を認めてあげることが大事です。

彼が服を脱ぎ散らかしていたら、
「あぁ、今日は疲れているのね。仕事が大変だったのね」
と、やさしくしてあげる。

彼が家にばかりこもっていたら、
「ゆっくり部屋でくつろぎたいのね。コーヒーでもいれよっか?」
と、サービスしてあげる。

まずは、自分が相手を理解しようという姿勢を示すことが、大事なのです。
そうすると、彼は、「あ、この人は自分を理解しようとしてくれてるな」と感じるでしょう。
そして、あなたの要望を受け入れる態勢になるのです。

自分を理解してくれてるなと感じたときに、人は心を開きます。
相手の要望を受け入れようとします。
彼に不満があるときには、まずは、あなたが彼にやさしくしてあげてくださいね。

🌸 🌸 🌸

※このコラムはほぼ「恋マガジン」配信当時の内容です。
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