彼にふられたとき。
どうしても、
ふられた現実を認めたくないとき。
彼がもしかしたら、
まだ自分を好きかも…
という幻想を抱いてしまう。
この気持ちは、
人の自然な気持ち。
だって、
人は、
自分の願望と現実が違うとき、
願望を優先させる生き物だから。
その方が、
苦しまなくてすむから。
だけど、
それを続けていても、
失恋から立ち直れない。
いつまでも、
元彼というファンタジーから
抜け出せなくなる。
だから、
こう思ってみる。
「彼はいい男じゃなかったかも」と。
「きっと、もっと素敵な人が現れる」と。
考え方ひとつ、
かえるだけで、
失恋の砂漠から、
抜け出せるようになる。
きっと、
抜け出せるようになる。
・ ・ ・ ・ ・ ・
「ねえ、別れたいんだけど」
大好きな彼からの、突然の別れの言葉…。こんなとき、動揺しない人の方がすくないですよね。動揺して、泣いて、それでも彼をあきらめられなくて。で、つい、彼にこんなことを言ってしまったことはありませんか?
「私と別れたいなんて、嘘でしょ?」
ところが、彼はガンとして、別れる姿勢をくずさない。結局、「ほかに好きな人ができたから」とかなんとか言われ、別れ話は終了……。しかし、それでも、なかなかあきらめきれずに、「彼、本当は私をまだ好きなんじゃないかしら?」そう思い続けてしまう女の人がいるようです。
周囲から見れば、どう見ても「もう、あきらめれば?」という状況。でも本人は、彼にふられた現実を認めようとしない…。この「ふられた側の心理」。実は、とても自然なことと言えるんです。
なぜなら、人は、「信じたいこと」と「現実」の間に違いが出てきたときに、自分の信じたいことを優先するようにできているからなんです。
自分にとって都合の悪い「現実」は、心の中に緊張を生み出します。そして、この現実を認めてしまうと、緊張がもっと高まり、苦しまなければならなくなります。そこで、人は、現実を直視せずに、「信じたいこと」を優先するようにしてしまう傾向があるのです。
この法則を、先ほどの、「ふられた女の人」にあてはめてみると、とてもわかりやすいのではないでしょうか。
彼女が「信じたいこと」は、「彼は私を好き」ということ。しかし、現実には、「彼が私から離れ、別の女の人に好意をよせている」。この現実を認めると苦しんでしまうので、、「彼はまだ私のことを好きなはず」と思うことで、苦しみから逃れようとしているのです。
だけど……。
失恋直後ならまだしも、ずーっとこうして現実から逃げていては、なかなか失恋から立ち直れません。次の恋にむかうこともできません。すこしずつでも、現実を受け止めていかないと。
「そんなこと言われたって、なかなか彼を忘れられない」
そう思っている方には、「イソップ物語」に出てくる物語から名づけられた「すっぱいブドウの理論」を実践することをおすすめします。どんな理論かというと…。
物語の中。キツネは、森の中でブドウを見つけます。そのブドウが欲しくて、何度も何度もジャンプをして採ろうとします。でも届かない。そこで、結局、こう言ってあきらめるんです。
「あれはおいしいブドウじゃない。すっぱいブドウだ」
この考え方、あなたが失恋から立ち直りたいときに、とりいれてみてはどうでしょう。そう。自分をふった恋人のことを、「あの人は、いい男じゃなかった」「これからもっと、素敵な人があらわれるかも」と、思ってみるんです。
もちろん。いちばんいいのは、「彼はいい人だった」と思いながらも、失恋から立ち直っていくことです。だけど、なかなかそうはできないときもありますよね? そんなときには、「あの人は、いい男じゃなかった」と思うことで、すこし気持ちがふっきれる場合もあるようなのです。考え方をちょっとかえるだけで、失恋地獄から抜け出せるかもしれないのです。
ただし、この「すっぱりブドウの理論」にたよりすぎて、周囲の友達などに彼の悪口ばかりを言ってしまう行動はさけたいですね。そういう行動って、自分の品位を下げるだけですから。
心の中で、「あの人は、いい男じゃなかった」とつぶやいてみる。そのくらいが調度いいのかもしれません。
※このコラムは、2004年頃に10000読者さまに配信していた安藤房子の原点でもあるメルマガ「恋マガジン」の内容をほぼそのまま掲載しています。
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