Vol.1 最後の恋のはじめ方

90%近づいてそこで待つ。彼女が10%を求めるまで。

これ、何のことかわかる?
キスのおはなし。

最初のキスは自分から100%近づいてはいけない。
90%近づいて、彼女が残りの10%を求めるまでそこで待つ。
それは何故か。
女10人のうち8人までは最初のキスで相手を好きか嫌いか判断を下すから。

わたしのお気に入りウィル・スミスとエヴァ・メンデス主演の『最後の恋のはじめ方』にはこんな、思わず“女”がニンマリしてしまうシーンがいくつもある。

アレックス(ウィル・スミス)は恋愛コンサルタント。
彼の仕事は、世の男に“どうすれば本物の恋が手に入るか”を指南すること。
「90%近づいて……」のキスのおはなしもアレックスのアドバイスのひとつ。

キスが上手な男の子って素敵でしょ?
ゆっくり顔を近づけてきた男の子が唇の寸前でとまって、あなたの目を覗き込む。

あなたは、彼との10%を埋めたくて、つい唇を移動させてしまう。
こんなキスから恋が始まらないわけがない……わたしなら、ね。

アレックスは女心をよく解かっている優秀な恋愛コンサルタントだから彼のセリフには“女”がニンマリしてしまうってことなのだ。

そんな恋愛エキスパートのアレックスが「男なんてノーサンキュー」みたいなゴシップコラムニストのサラ(エヴァ・メンデス)に出会って
今までの恋愛価値観を壊されていく……

っていうベタなストーリーなんだけど、ヒュー・グラントのラブコメディより100倍クールで、メグ・ライアンのラブコメディより1000倍スタイリッシュ。

アレックスに惹かれていくサラの気持ちを代弁するように変わっていく彼女のファッションは、画面を一時停止してチェックしてほしいくらい。

Always remember,life is not the amount of breaths you take.
It’s the moments that your breath away.
(人生は何年生きるかではなく、至福の瞬間を知ることだ)

アレックスのこのセリフ、恋の醍醐味そのままだと思わない?

恋のアフォリズムあり、ロマンティックな演出あり、ファッションのお手本ありで、週末の夜、お酒を飲みながら彼とまったり観るのがお似合いな映画かも。

※このコラムはほぼ「恋マガジン」配信当時の内容です。
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