恋の真っ最中に読みたい一冊  – Book Review –

■ スプーン

今回の本の推薦者は読者のノアさんです。
「ちょっと切ない立場(多分不倫関係??)での詩集です。
どんな関係でも、自分が楽しく輝ける関係を築きたいものです。

ちょっと自分勝手かな?」と、ノアさん。
「五分だけ会いに行こう抱きしめて髪をくしゅくしゅ撫でてもらえる」
「あけわたすことのよろこび服を脱ぎ向きあうわたしの相手はこのひと」
など、素敵な恋の歌がいっぱいの歌集。

■ 恋愛中毒  山本文緒(角川書店)

今回の本の推薦者は読者のアヤさんです。

「とっても面白かったです。ストーリーもさることながら主人公や周りの人間が際立っています。
リアルで突き放したような感じがあるのに、そこに秘められた情念の深さを感じます。

山本文緒さんの小説はどろどろした人間の汚い部分を乾いたタッチで描いているので好きです。
よかったら読んでみてくださいね。」と、アヤさん。

「もう神様にお願いするのはやめよう。
―どうか、どうか、私。
これから先の人生、他人を愛しすぎないように。

他人を愛するぐらいなら、自分自身を愛するように。
哀しい祈りを貫きとおそうとする水無月。
彼女の堅く閉ざされた心に、小説家創路は強引に踏み込んできた。
人を愛することがなければこれほど苦しむ事もなかったのに。
世界の一部にすぎないはずの恋が
私のすべてをしばりつけるのはどうしてなんだろう。」

主人公水無月のせつなくもまっすぐな恋の物語。
吉川英治文学新人賞を受賞した恋愛小説の最高傑作です。

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※このコラムはほぼ「恋マガジン」配信当時の内容です。
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