好きな人といると、
「もっとこうしたい」
という気持ちがわいてくる。
もっと会いたい。
もっと話したい…。
こんなふうに、
したいことがふえていくのは、
とても自然なこと。
したいことを考えているだけで、
わくわくするし、
楽しくなってくる。
だけど、
「してほしい」
という気持ちがわいてきたら。
ちょっと危険。
もっと会ってほしい。
もっと話してほしい…。
もっと、もっと、もっと。
そんな気持ちは、
言葉や態度にあらわれるもの。
そして、
してほしい、という気持ちは、
ときどき相手を困らせるもの。
だから、
してほしい、と思うよりも、
したい、と思ってみる。
そして、
したいことを、
どんなふうに伝えれば、
相手が心地いいかを
考えてみる。
・ ・ ・ ・ ・ ・
▼欲求と要求
あのね、ずーっと思っていることがあるんです。それはね。「欲求するのはいいけれど、要求してはいけない」ということ。今日は、その「欲求と要求」のお話を、すこし掘り下げて書いてみたいと思います。
さて、「よっきゅう」と「ようきゅう」……。平仮名で書くと、たった一文字違い。辞書を引いてみると、どちらの言葉にも「求めること」という意味が書いてありますし、一見、とても似た言葉に感じますよね。
でも、このふたつの言葉の実際の使われ方を考えてみますと、随分と意味が違うなあ…という気がします。
欲求という言葉は、「こうなったらいいな」「こうしたいな」という、個人の内部の気持ちをあらわすときに使うことが多いですよね。一方、要求は、「他人に対して求める」という意味合いで使われることが多いように思います。
▼欲求はしあわせのモト、要求はふしあわせのモト
こうして考えてみると、恋愛において「欲求」はしあわせのモトであり、要求はふしあわせのモト、と言えるように思います。
彼や彼女に「こうしてほしい」と思うのはいいけれど。「こうしてよ」と要求しはじめたときに、恋がだんだん苦しくなっていく……そう思いませんか…?
人の心なんて、誰にも縛ることなんてできないですよね。だから、「こうしてほしい」と思っても、相手が「こうしてくれる」とは限らない。だから、「こうしてほしい」が大きければ大きいほど、不満がつのってしまうものです。
かといって、恋人に対して何も求めない方がいいのかというと、決してそういうわけではありません。相手に多少の期待をかけてあげるほうが、その期待を喜んでもらえてお互いの関係がよくなる……ということが、心理学の実験でも実証されているんです。
その実験とは……。
▼【ピグマリオン効果】は恋の特効薬
ある小学校では、クラスの全員に知能テストを受けてもらいました。その後に、教師は無作為に選んだ2割の生徒に対してのみ、「君は将来、学力が伸びるよ」という内容を伝えたそうです。
さて、それから1年後。ふたたび知能テストを実施したところ、「学力が伸びる」と言われた生徒の方が、ほかの生徒よりも知能テストの結果がよく、学習意欲もアップしたのです。こうした効果は、【ピグマリオン効果】と呼ばれています。
実験は子供を対象にしたものでしたが、大人にとっても同じことが言えそうです。彼にお願いごとがあるときには、この【ピグマリオン効果】を上手に使ってみてはいかがでしょう。
たとえば、彼が浮気をしたとき。「ちょっと、いい加減にしてよ。今度浮気したら絶対に許さないからね」と言ったら、この言葉は要求になってしまい、逆効果です。相手の人は、自分が悪いと思っていたとしても、あなたの言葉に対して反発したくなってしまいます。
それよりも、「いつも、やさしくしてくれてありがとう。でも、私だけを好きでいてくれたら、もっとうれしいんだけどな」という、期待に満ちた言葉を投げかけてあげるほうが、何倍もの強さで彼の胸に響くのです。
彼に「こうして欲しい」という、あなたの中の「欲求」。それを要求するのではなくて、期待してみてくださいね。
\もっと記事を読んでみる?/
◆恋マガジン「LOVETEXT」トップページ
\恋愛相談・執筆や取材のご依頼はコチラ/
◆公式LINE「恋コトバ」
\著書はコチラ/
◆安藤房子の著書Amazonアンリミ無料多数!
\「恋マガジン」はコチラ/
◆目次やいろいろ