vol.89 したいこと、してほしいこと

好きな人といると、
「もっとこうしたい」
という気持ちがわいてくる。

もっと会いたい。
もっと話したい…。

こんなふうに、
したいことがふえていくのは、
とても自然なこと。
したいことを考えているだけで、
わくわくするし、
楽しくなってくる。

だけど、
「してほしい」
という気持ちがわいてきたら。
ちょっと危険。

もっと会ってほしい。
もっと話してほしい…。
もっと、もっと、もっと。

そんな気持ちは、
言葉や態度にあらわれるもの。
そして、
してほしい、という気持ちは、
ときどき相手を困らせるもの。

だから、
してほしい、と思うよりも、
したい、と思ってみる。
そして、
したいことを、
どんなふうに伝えれば、
相手が心地いいかを
考えてみる。

・ ・ ・ ・ ・ ・

▼欲求と要求

あのね、ずーっと思っていることがあるんです。それはね。「欲求するのはいいけれど、要求してはいけない」ということ。今日は、その「欲求と要求」のお話を、すこし掘り下げて書いてみたいと思います。

さて、「よっきゅう」と「ようきゅう」……。平仮名で書くと、たった一文字違い。辞書を引いてみると、どちらの言葉にも「求めること」という意味が書いてありますし、一見、とても似た言葉に感じますよね。

でも、このふたつの言葉の実際の使われ方を考えてみますと、随分と意味が違うなあ…という気がします。

欲求という言葉は、「こうなったらいいな」「こうしたいな」という、個人の内部の気持ちをあらわすときに使うことが多いですよね。一方、要求は、「他人に対して求める」という意味合いで使われることが多いように思います。

▼欲求はしあわせのモト、要求はふしあわせのモト

こうして考えてみると、恋愛において「欲求」はしあわせのモトであり、要求はふしあわせのモト、と言えるように思います。

彼や彼女に「こうしてほしい」と思うのはいいけれど。「こうしてよ」と要求しはじめたときに、恋がだんだん苦しくなっていく……そう思いませんか…?

人の心なんて、誰にも縛ることなんてできないですよね。だから、「こうしてほしい」と思っても、相手が「こうしてくれる」とは限らない。だから、「こうしてほしい」が大きければ大きいほど、不満がつのってしまうものです。

かといって、恋人に対して何も求めない方がいいのかというと、決してそういうわけではありません。相手に多少の期待をかけてあげるほうが、その期待を喜んでもらえてお互いの関係がよくなる……ということが、心理学の実験でも実証されているんです。

その実験とは……。

▼【ピグマリオン効果】は恋の特効薬

ある小学校では、クラスの全員に知能テストを受けてもらいました。その後に、教師は無作為に選んだ2割の生徒に対してのみ、「君は将来、学力が伸びるよ」という内容を伝えたそうです。

さて、それから1年後。ふたたび知能テストを実施したところ、「学力が伸びる」と言われた生徒の方が、ほかの生徒よりも知能テストの結果がよく、学習意欲もアップしたのです。こうした効果は、【ピグマリオン効果】と呼ばれています。

実験は子供を対象にしたものでしたが、大人にとっても同じことが言えそうです。彼にお願いごとがあるときには、この【ピグマリオン効果】を上手に使ってみてはいかがでしょう。

たとえば、彼が浮気をしたとき。「ちょっと、いい加減にしてよ。今度浮気したら絶対に許さないからね」と言ったら、この言葉は要求になってしまい、逆効果です。相手の人は、自分が悪いと思っていたとしても、あなたの言葉に対して反発したくなってしまいます。

それよりも、「いつも、やさしくしてくれてありがとう。でも、私だけを好きでいてくれたら、もっとうれしいんだけどな」という、期待に満ちた言葉を投げかけてあげるほうが、何倍もの強さで彼の胸に響くのです。

彼に「こうして欲しい」という、あなたの中の「欲求」。それを要求するのではなくて、期待してみてくださいね。

\もっと記事を読んでみる?
◆恋マガジン「LOVETEXT」トップページ

\恋愛相談・執筆や取材のご依頼はコチラ
◆公式LINE「恋コトバ」

\著書はコチラ
◆安藤房子の著書Amazonアンリミ無料多数!

\「恋マガジン」はコチラ
◆目次やいろいろ

\婚活本は画像をタップ!

関連記事

  1. vol.44セックスを楽しむ

  2. vol.32恋のスケジュール帳

  3. vol.36嘘つきになる

  4. vol.65 100円ショップ的愛情表現

  5. vol.30朝の過ごし方をかえてみる

  6. vol.58すっぱいブドウ