▼氾濫するモラル・ハラスメント
最近、モラル・ハラスメントという言葉をよく耳にしますね。
すでにみなさん、定義をご存知かと思いますが、念のため……。
モラル・ハラスメントとは、言葉や態度、文書や身振りなどによって、
他人の尊厳や人格を傷つけたりすることです。
精神的または肉体的に傷つけ、その相手がどうしようもなく悩んで
しまうような状況に追いやったり、相手の気分を害することです。
モラル・ハラスメントという言葉は、フランス人の精神科医の
マリーフランス・イルゴイエンヌという女性が、自身の書籍の中で触れ、
世界に広まりました。
彼女が言うモラル・ハラスメントは、大きくふたつに分かれます。
ひとつは、自己愛の強い性格の人による、精神的ないじめ・暴力・嫌がらせ
などのことです。
もうひとつは、権力を持つ人が、自分より地位の低い人に対し、権力に
ものを言わせるかたちで精神的ないじめ・暴力・嫌がらせをするというもの
で、いわゆるパワー・ハラスメントと呼ばれているものです。
▼愛し合うふたりなのに?
どちらのモラル・ハラスメント(以下モラ・ハラ)も、
職場での問題が、よくテレビでとりあげられていますよね。
でも、私が最近思うのは、夫婦間や恋人同士でも
モラル・ハラスメントがたくさん起きているということなんです。
たとえば、長年連れ添った夫婦の場合。
男性が自分のパートナーを無視したり、文句ばかり言ったり。
逆に女性が男性にモラ・ハラしているケースもあります。
気弱な男性と、勝気な女性というカップルなどに、そういう傾向が
よく見られます。
たとえば、一緒に住んでいるのに家事をすべて放棄して男性にばかり
させるとか、浮気を繰り返し、男性から「やめてほしい」と
言われるとヒステリックに怒って男性を罵倒するなどなど……。
愛する恋人に対してモラ・ハラするようになってしまうのは、
一体どうしてなのでしょう。
▼モラハラリストはマニアタイプ
まず言えるのは、恋人を自分の所有物のように考えてしまって
いる人が増えてきているということです。無意識のうちに
「私の所有物だから、私の言うことを聞いてくれて当然」
と思ってしまい、思い通りにならないときには、力づくで、
何が何でも言うことを聞かせないと気がすまないというわけです。
本人に
「私はモラ・ハラをしている」
という自覚がある場合もありますが、中にはまったく自覚のない人も
多く、そういうタイプの人ほど、なかなかモラ・ハラを
やめてくれません。
私は今、モラ・ハラに走ってしまう人のことをモラハラリストと
名づけ、さまざまな文献をもとに調べている最中なのですが……
モラ・ハラに走る人というのは、
マリーフランス・イルゴイエンヌが触れているように、
自己愛のとても強いタイプの人が多いように感じます。
そして、本人は
「恋人を心から愛している」
と思い込んでいますが、よくよく話を聞いてみると、
実はまったく愛していないのではないかという人が意外と多いのです。
モラハラリストが愛しているのは「自分」。
そして、そんな自分を心から気にかけ、愛してくれる誰かを必要と
しているというわけです。
言ってみれば、
自分の思い通りになる「おもちゃ」がほしくてたまらないだけ
なのかもしれません。
また、モラハラリストは、狂気的な恋愛を好む傾向があります。
心理学でいう「マニア」タイプの人が多く、とにかくパートナー
への執着心がものすごいのです。
そしてこの執着心は、自分自身への愛情が根本となっています。
(※マニアタイプにつきましては、以前のコラム「6つの愛のカタチ」
をご参照ください。
http://www.heart-junction.com/koimaga/love/bn/no053.html
)
冷静に考えてみれば、すぐにわかることなのに。
人の心なんて、誰にも束縛できるはずがないのに。
▼あなたもモラハラリストかもしれない?
モラハラリストは、いたるところに存在します。
もしも、あなたが、
「私はいらいらしやすいタイプかも?」
と思っているようであれば、ちょっと注意が必要です。
無意識のうちにモラ・ハラしてしまっているかもしれません。
そんなあなたは、どうぞ、心が穏やかなときに、彼との恋愛関係を
思い出してみてください。
彼に、無理なお願いをしていませんか?
物事をヒステリックに伝えていませんか?
彼との関係を大切にしたいなら、ぜひモラ・ハラをやめてください。
きっと、今までよりずっと楽しい恋愛ができると思いますよ。
★★★お知らせです★★★
モラルハラスメントのブログをはじめました。
よかったらのぞいてみてください。
http://blog.livedoor.jp/moral_harassment/
【関連コラム】
【したいこと、してほしいこと】
http://www.heart-junction.com/koimaga/love/bn/no089.html
【彼がどこにも連れて行ってくれない】
http://www.heart-junction.com/koimaga/love/bn/no042.html
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【あなたのため、という気持ち】
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