▼別れたいのに別れられない理由
「彼とのつきあいがマンネリ。もう彼を好きではないんです。
なのに、なかなか別れられなくて…。
彼を、傷つけずに別れる方法はありませんか?」
時折、そんなご相談をいただくことがあります。
別れたいのに別れられない……。
そんな悩みの背景には、3つの心理が隠されている場合が多いようです。
▼「彼を好き」の裏返し
ひとつは、彼をもう好きではないと言いつつも、
実はまだ、彼を必要としているという心理です。
相談者の過去から現在までのさまざまな経緯を聞いてみると、
どうやら、彼のすべてを嫌いなのではなくて、
“今の彼の態度には我慢ができない”
という場合が多いのです。そして、
“彼の態度が変わってくれるなら、まだつきあってもいい”
という気持ちの人が結構いらっしゃるのです。
たとえば、“彼が最近あまり会ってくれない”とか、
“彼からメールが来ることが減ってしまった”などの、
彼の行動に対して、不満を持つようになります。
そして、
“ああ、彼は私を愛していないんだな”
と思うようになり、だんだん彼に対する不信感が
つのっていくのです。
その自分の思いを、彼に話せない人もいれば、
話しても軽く流されたりしてしまう人も……。
そんな状況が続くうちに、彼への不満が心の中で
風船のようにどんどん大きくなり、
もうその風船が割れてしまいそうになってしまう……
という状態になり、別れを考えるようになってしまうわけです。
▼ひとりになるのが寂しい
また、これと似たパターンで、
「ひとりになるよりは、彼と一緒にいるほうがまし」
という理由で彼と別れられずにいる人もいらっしゃいます。
人は誰でも、多かれ少なかれ、誰かに所属したいという
願望を持っています。
所属したい相手と離れることに不安を感じる場合もあります。
この、
「一人になるのが寂しい」
という心理状態を、心理学では【分離不安】と言います。
この【分離不安】というものは、その人の環境によって
大きくなったり小さくなったりするものなのです。
たとえば、仕事がうまくいかないときや、友達と喧嘩を
してしまったときなど、自分にとってのマイナス要因が
多ければ多いときほど、【分離不安】がふくれてしまうのです。
その結果、もう恋愛感情もない相手だとしても、
離れられなくなってしまうわけです。
▼“いい人”症候群
“彼をもう好きではないんだけれども、
彼に別れを告げて彼が傷つくのが怖い“
という心理があげられます。
この心理は、一見、相手のことを尊重しているように
見えますし、とても優しい人という印象を周囲に与えます。
しかし、よくよく話を聞いてみると、ちょっと違うのです。
相手を傷つけたくないという気持ちはもちろん本当なのですが、
それ以上に、相手を傷つけてしまう自分を見るのが怖いとか、
人を傷つけるような悪者になるのは嫌だという
“裏の心理”があるように思います。
つまり、このタイプの人は、人を傷つけることを悪い行為と
とらえていて、だけど自分は人を傷つけることのない
“いい人”でいたい。
“いい人”でいるためには、彼をふって傷つけてはいけない……
と考えてしまうわけです。
確かに、誰だって、自分はいい人でありたいという
願いを多かれ少なかれ持っています。
“他人を傷つけたくて仕方がない”
という人は、ごく一部の特殊な人だと思います。
もしも誰かを傷つけたいと思ったとしても、
その気持ちを理性でカバーをして、いわゆる一般的な
生活を保とうとするのが正常なタイプの人間です。
それに、人を傷つけたくないと思うことは、とても
まっとうなことでもありますので、決して悪いこと
とは言えません。
しかし、このタイプの人には、”彼を傷つけたくない”という、
自分の“いい人”な部分は認めても、
“私は傷つくのが怖い”ということを、なかなか認めようとしない
ところがあるように思います。
▼あなたは、どのタイプ?
さて、今回は、別れたいのに別れられない人の特徴を
分析してみましたが、もちろん、人の心理がいつも
こんなふうにパシッと3つにわけられるものではありません。
これらのいろんな気持ちがどろどろにまじりあって
結果的に
“彼と別れたいのに別れられない”
という悩みが発生するわけです。
ただ、もしもあなたが別れられずに悩んでいるときには、
自分に問いかけてみてほしいんです。
彼と別れられないのは、なぜなのかを。
本当は彼を必要としているからなのか、
ひとりになるのが寂しいからなのか、
自分が傷つくのが嫌だからなのか……。
それをちょっと考えてみて、紙に書き出してみるだけでも、
かなり気持ちが整理されるはずです。
これからどうしていけばいいのかが、
だいぶ見えてくると思うのです。
悩みを解消しやすくなると思うのです。
どうぞ、お試しくださいね。
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