▼熟年離婚の“隠れた理由”
熟年離婚が話題になっていますね。
そして、熟年離婚には、女性の側から離婚をせまるという
ケースが多いようです。
厚生労働省のデータによれば、ずっと増え続けてきた熟年離婚も、
2002年からはそれほど増えていないそうです。
しかし、これは、女性側が、法改正を待っているだけのこと。
「2007年以降に離婚すれば、夫の年金の半分をもらえる……」
と思い、それまでは離婚をするのを我慢しようという女性が
多いようです。
熟年離婚の理由として、テレビなどでよくあげられるのが、
「夫の冷たい言動にずっと我慢してきたけど、もうムリ」
とか
「夫の浮気にずっと耐えてきたけど、もうイヤ」
というもの。
たしかにこれらの原因はもっともで、
私のところにいただく相談メールにも、
このような理由を書いている方が大変多いです。
しかし、よくよくお話をうかがってみると、
もう少し別のところにも原因があるように思います。
私は、熟年離婚の一番の理由は【燃えつき症候群】
でないかと思うのです。
▼目的を達成すると、別れたくなる心理
人間には、ひとつのことをがんばり、努力し、
達成したときに、
“もうなんにもやりたくない、すべてをなしにしたい”
という気持ちがわきでてくることがあるのです。
このような【燃えつき症候群】のときに
好きな人との別れを考えてしまいがちなのです。
たとえば、破綻しそうな夫の事業を一生懸命手伝い、
事業がうまくいきはじめたとき。
家族の介護を必死でがんばり、
その介護をしなくてよくなったとき。
長年の子育てがひと段落し、
ようやく自分自身のために時間を使えるようになったとき……。
そんなふうに、努力を重ねて目的を達成できたときに、
パートナーと別れたくなってしまうことがあるのです。
自分の時間の多くを、「夫のため」「家族のため」に費やし、
へとへとに疲れきってしまい、
【燃えつき症候群】に陥るのが、
ちょうど熟年に差しかかったころ。
そんなときに、夫から心ない言葉を投げかけられてしまい、
熟年離婚に走る、というケースが多いのです。
▼恋愛にも見られる【燃えつき症候群】?
この【燃えつき症候群】は、
熟年層にだけ見られる傾向ではありません。
恋愛中の若い人にもよくあることです。
たとえば、借金だらけの彼にお金を貢ぎ、
さんざん自分の身をけずった結果、
ようやく彼の借金がなくなった女性。
浮気性の彼に愛してほしくて
一生懸命彼に尽くした結果、
ようやく彼からプロポーズされた女性。
彼の夢を実現するために
自分のやりたいことを我慢してサポートし続け、
ようやく彼の夢が実現した女性……。
こんな女性たちもまた【燃えつき症候群】に
おちいりやすいのです。
仕事をしている女性も、
おなじような気持ちになるときがあります。
大きなプロジェクトのために、徹夜をくりかえして猛烈に働き、
ようやくプロジェクトが成功したときなどがそうです。
▼“がんばりすぎ”は禁物
人間、目の前の困難なことを乗り越えようとしたときには、
いつも以上にがんばってしまいます。
がんばることは悪いことではありません。
目標に向かってがんばることによって、
日常生活に、めりはりが生まれてもくるものです。
しかし、人ひとりのキャパシティには限界があります。
がんばりすぎることが、知らず知らずのうちに、
自分自身への負担になってしまうことがあるのです。
がんばる生活を続けてしまい、
最終的には、目の前のすべてをチャラにしたくなるときがあるのです。
そうならないためには……。
ときには、
“私はいま、本当にやりたいことをやっているだろうか”
“私のいちばんやりたいことはなんだろうか”
と、自問自答してみてはどうでしょう。
すぐに答えが出てくる場合もありますが、
なかなか出てこない場合もあります。
そのときのほうが、
よりストレスをためている状態なのではないかと思います。
そんなときには、自問自答するだけでなく、
やりたいことを、どんどん紙に書いてみてください。
文字にすることで、気持ちがかなり整理されます。
ストレスにつぶされてしまう前に、
日常生活を見直すことができるのです。
あなたは、がんばりすぎていませんか?
いちばんやりたいこと、やっていますか?
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