▼我慢できないけど別れられない
「私の彼、勝手だし、威張ってばかりなんです。
いつも優位にたっていないと気がすまないみたいなの。
だけど好きだから別れられなくて……」
そんな読者の方はいらっしゃいませんか。
「明日会おう」と言われて、
お洒落をして待ち合わせ場所に行ったのに、
「やっぱり今日は友達と会うから」
と、当然のように断られたり。
会ったら会ったで、
自分の行きたい場所にしか行かなかったり。
不満を口にすると
「うるさい。黙ってろ」
なんて、大声を出したり…。
そんな、自尊心の強い男の人って、ちょっと面倒ですよね。
でも、つきあいつづけたいなら、どうにかしなくちゃ…。
では、こんな男の人には、どう向き合えばいいのでしょう?
今日は、そんなことを考えてみたいと思います。
▼自尊心は劣等感のあらわれ
さて、その前に。
自尊心の強い男の人の内面をちょっと見ていきましょう。
自尊心の強い人は、
「周りの人から自分をえらいと思ってほしい」
という願望、つまり、社会承認欲求がとても強いのですよね。
その欲求から、いつも恋人に強い口調で話したり、
自分勝手な行動に出たりしてしまう。
人も羨むような高級車や高級店ばかりを好んだり、
政治家など肩書きのある人とのつきあいばかりを好むなど、
必要以上にステータスに執着してしまうわけです。
こういう男の人って、一見、とても強い男に見えますよね。
でも実はまったく逆なのです。
劣等感がとても強くて、
「自分なんて、本当はたいした人間じゃない」
なんて思っていたりする。
弱い自分を守るために、いつも強がってしまうわけなのです。
▼自尊心男は現実から目をそむけたがる
精神分析学者のフロイトも、
男の自尊心の強さは防衛規制の一種ではないか、と言っています。
で、自尊心の強い男の人は、人一倍、
かなえたい願望をたくさん心の中に持っています。
だけど、なかなか現実はうまくいかない。
本来の願望が満たされない…。
そこから生まれたフラストレーションを解消するために、
勝手なことをしたり、威張ったりしてしまいます。
強がることで、目の前の苦しい現実から目をそむけようと
しているわけなのです。
▼お父さんの影響
こうした男の人は、
自分と同じような威圧的なお父さんに育てられているケースが
とても多いんですよね。
威圧的なお父さんに育てられた子供(これは男女ともに)は、
大きくふたつのタイプに別れていきます。
ひとつは、父親と対峙することを拒否するタイプ。
このタイプは、父親とは逆のやさしいタイプに育っていきます。
もうひとつは、父親ととことん戦うタイプ。
このタイプが、今回のテーマである自尊心の強い男の人に
成長していくのです。
威圧的な父親に反抗して反抗して、戦って戦って戦って…
しかし、大人の力にはかなわずに、
「自分はダメな人間なんだ」
と、大きな敗北感と劣等感を感じるわけです。
この感覚を小さいときに味わいますと、
どんな人間関係においても
「相手と自分とでは、どっちが偉いか?」
ということを重視するようになっていきます。
自尊心が強く、恋人に対して勝手で威張ってばかりの男に
なりがちなのです。
▼やさしく認めてあげる
こういう男の人に、どんなに怒ったり泣いたりしても、
なかなか変わってはくれません。
逆にますます自尊心が強くなっていくだけです。
ではどうすればいいのかと言いますと、
ちょっと大変なのですけれど、
やさしく相手の心を受けとめ、
いつも相手の言葉や行動を認めてあげるのが
いちばんいいと思います。
認めてもらううちに、彼の自尊心は満たされていきます。
自分の中にあるよさに気づいていきます。
そして、心が満たされて、自分のよさに気づいたとき。
必要以上に勝手なことをしたり、威張ったりしてまで、
自分の自尊心を保つ必要がなくなります。
そして、自分のことを認めてくれた人の話を
ちゃんと聞こうと思うようにすこしずつ変化していくことも
少なくはないのです。
特に、このタイプの男の人は、
説得されやすく、同調しやすいという一面も持っていますので、
「自分の良さを認めてくれた人」
の話はちゃんと聞くようになっていく場合が結構あるのです。
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