▼仕事が忙しすぎて、恋ができない
「仕事が忙しすぎて、恋愛する時間がありません。たすけてください」
そんな悲痛な叫びのような恋愛相談が、最近相次いで寄せられています。
年齢は、みなさん30歳前後。
ある程度社会経験を積み、会社で責任の重い仕事をまかされている人や、
会社経営者、専門技術を持ったフリーランサー…。
みなさん、どちらかというと高収入の方ばかり。
かなりのハードワークで、終電まで働くのは当り前。
午前3時、4時まで仕事をすることもザラ。
よって、彼を作る時間がない。
彼がいても、連絡をとったり、会う時間がなくて、結局別れてしまう。
それを、どう解決していいかわからない…。
そんな相談が、よく寄せられるのです。
そんなに仕事をたくさんしているのならば、
よっぽど仕事が好きなのかと思うと、
実はそれほど、仕事を好きではない人が多かったりします。
逆に、自分の職種や仕事のスタイルに不満を持っている
ケースが多いのです。
▼責任感が強いから仕事熱心
では、なぜそんなに仕事熱心なのかというと、大きな理由としては、
「責任を果たしたいという気持ちが強い」
ということがあげられます。
家族を養うという責任、会社の上司の期待にこたえる責任…。
自分で
「わたしは、こうあらねばならない」
と強く思い、本当は自分がいちばん心地よく働けるスタイルでは
ないにもかかわらず、熱心に働いてしまっているわけです。
▼ハードワーカーの心と身体
こうして、自分の欲求とは違うのに熱心に働き続けますと、
さまざまなストレスを心に溜めがちです。
それが身体にもあらわれ、心身症にもなりがちです。
しかし、当の本人は、
「体調は悪いけど、それは心の状態とは関係ないわ」
そう思っていたりします。
しかし、後々、相談者の方から、
「実は、心身症だったみたいです」
と、メールをいただくことがとても多いのです。
では、なぜ、心身症になるほど、仕事に熱中してしまうのでしょうか。
「こうあらねばならない」
と、思ってしまうのでしょうか。
私は、その原因は
「いい子でいたい願望」
にあるように思います。
ハードワーカーの方のお話を詳しくうかがってみますと、
両親からとても厳しく育てられている方がほとんどです。
「ちゃんと、いい子でいなさい」
「もっと勉強をがんばりなさい」
そう強く言われ、なかなかほめてもらえずに育った人が多いのです。
ほめてもらえずに育ちますと、
大人になってからも、誰かに認めてもらうことに人一倍執着します。
仕事内容や仕事スタイルに不満を抱えながらも、
「いい人と言われたい」
「がんばって偉いね、とほめてもらいたい」
という願望が強いあまり、人一倍仕事をがんばってしまいます。
自分で自分の行動を縛ってしまい、自分を追い詰めてしまいがちなのです。
▼上手に恋するハードワーカー
もちろん、ハードワーカーの女の人の中にも、
恋愛を謳歌している人はたくさんいらっしゃいます。
どんなに忙しくても、毎日恋人への電話は欠かさない。
毎週のようにデートをしている人もいます。
彼女たちのようなタイプには、「いいこちゃん願望」はあまり
見られません。
日常への不満がそれほどありませんから、
とてものびやかに仕事を楽しんでいます。
どんなに忙しくても、その合間に彼にメールや電話をする。
次に彼と会えるときを楽しみにしながら、今、目の前の仕事に没頭する。
このあたりを、とてもうまくやっているのです。
恋するハードワーカーと恋ができないハードワーカー。
両者の違いを、恋ができないハードワーカーが気づいていれば、
生活は改善されやすいでしょう。
悩みも解消しやすいでしょう。
しかし、問題なのは、本人に「現状に不満がある」という自覚のない場合が
多いということです。
なぜ問題かと言うと、自覚がないと、本人が改善しようと思わないからです。
本人が改善しようと思わなければ、根本的な解決に向かわないからです。
▼今の仕事、好きですか?
そこで、ハードワーカーの読者の方に、ちょっとお尋ねしたいのです。
あなたは、今の仕事が好きですか?
そして、何のために仕事をしていますか?
単純に収入を得るためでしょうか。
親や家族、上司への「責任」を果たすためでしょうか。
もしもそうでしたら、一度、
「ほんとうはどんなふうに生きたいのか」
を、自分自身に尋ねてみてください。
自分の人生を豊かにするために必要なことは何かを、考えてみてください。
どんな仕事をどんなスタイルでやれば楽しそうかを、考えてみてください。
それが見えてきたとき、
「自分の人生を生きる」ことができるようになります。
恋愛をする気力も時間も作ることができるようになるのです。
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