▼相手の言葉を真似てみる
先週は、パーティーでの話しかけ方についてお話ししましたね。
まずは「クローズド・クエスチョン」をして、相手の趣味・嗜好を探る。
次に「オープン・クエスチョン」で会話を広げていく。
この手法が、初対面のときには効果的。そんなお話をいたしました。
今週は、その後の会話術について、お話ししたいと思います。
基本的には、引き続き、オープン・クエスチョンを続けていくのが
ベターですが、もうひとつワザをセットするとさらに効果的です。
そのワザとは、「相手の言葉を真似て復唱する」という方法です。
もともと人間は、「好かれたい」と思ったときに、相手の行動に無意識に
同調をするシンクロニー(同時性)の言動をとることが多いもの。
だったら、出会いの場であるパーティーのときなどは、
ちょっと意識してシンクロニー状態を作ってしまえばいいわけです。
こうしてお互いが同じ行動を起こしている状態を、
「行動のエコー」と言います。
「行動のエコー」により、お互いの好意が高まるという心理学の実験結果も
出ていますので、かなり効果的な方法だと思います。
では、どんなふうに復唱していけばいいか。
その事例を見ていきましょう。
先週記載した事例2の途中から、会話を続けていきますね。
【例】
女性「音楽が得意だなんて素敵ですね!」<オープン・クエスチョン>
男性「いえいえ。そんなに得意なわけじゃないんですが、
中学時代からずっと楽器をやっていまして…」
女性「えーっ! 中学時代から楽器をやっていらっしゃるんですか?
ということは、音楽にもお詳しいのでしょうね」<オープン・クエスチョン>
男性「いえいえ。それほどうまいわけではないんです。
ただ本当に音楽が好きでして」
女性「とても音楽がお好きなんですね。
どんな音楽をよく聞かれるのですか?」<オープン・クエスチョン>
男性「なんでも聞きますよ。もともとはクラシックが好きだったんですが、
ここ数年はジャズから歌謡曲までなんでも…」
例の女性は、相手の言葉を復唱しながらも、
オープン・クエスチョンを続けていますよね?
この話し方。
実は、カウンセリングの現場でもよく使われる話し方なんです。
相手の言葉を復唱することで、相手に対して
「私はちゃんとあなたの話を聞いていますよ」
ということを伝えることができ、
クライエントが次の言葉を話しやすくなるわけです。
▼行動も真似てみる
言葉だけでなく、相手の仕草や行動を真似ることも
親密度アップにつながります。
たとえば、相手が髪をかきあげたら自分も髪をかきあげる。
相手がシャンパンを飲んだら、
「じゃ、私もいただこうかしら」と頼んでみる。
相手がトイレにいったら自分も行ってみる……。
とても単純なことに感じるかもしれませんが、
こうしたちょっとした行動で、ふたりの距離がグッと近くなるはずです。
もしかしたら、読者の方の中には
「そこまでやるのは大変そう…」
と思う方もいらっしゃるかもしれませんね。
そんな方は、相手の言葉に「頷く」ことや「相槌を打つ」ことを、
いつもよりちょっと意識的にやってみる、ということからはじめてみて
くださいな。
それだけで、かなり好感度がアップするはずです。
パーティーには出会いがいっぱい。
あなた本来の魅力を、上手に相手に伝えてみてくださいね。
|