2002年版の厚生労働省の人口動態統計によれば、
昨年は、28万9838組がものカップルが離婚したそうです。
1分49秒に1カップルが離婚している計算になるらしく、
明治32年以来最高の離婚件数なんだそうです。
この離婚件数…
いくら42秒に1カップルが結婚しているとはいえ、
すごく多いですよね。
そういえば、私のところにも、最近よく離婚の相談があるんです。
しかも、似た者同士でかつてはアツアツだったカップルほど、
泥沼の離婚話に発展しているようです。
離婚=不幸、とは思いませんが、ちょっとさびしいですよね。
濃密な恋愛時代を過ごしたふたりの方が、険悪になりがちだなんて。
まるでふたつのキャラメルがトロンと溶け合い、
ひとつのキャラメルになったような、
あま〜いカップルの方が離婚にエネルギーを使うなんて…。
でも、実はこのような状況は、心理学的に見て、もっともなことと
言えるんです。
たしかに、趣味や価値観が一緒で、いつも近くにいられる似た者同士の
ふたりなら、なかよくなりやすく、恋愛がうまくいきやすいものです。
でも、その一方で、どろどろの別れと背中あわせとも言えるんです。
たとえば、あなたは、こんな経験はありませんか。
彼とインテリアを買いに出かけて、
お互いが選ぼうとするものが違ってイライラしたり。
一緒に見た映画の感想が違って寂しく感じたり。
クリスマスや冬休みの過ごし方を話しながら、
なかなか予定が決まらずに喧嘩になったり。
不思議なことに、最初から、
「自分とはまったく異質の人」
と思う相手と意見が違っても、わりとあきらめがつくもの。
ところが、自分と似ていると思っていた人が自分と違う意見を話すと、
悲しさもいらだちも倍増するものなんです。
そしてそれはなぜかというと、似た者同士であるがゆえに、
いつのまにか、お互いに相手に期待する気持ちが
大きくなっているからなんです。
お互いがあまりに似ているから、
「彼ならきっとこう思うはず」
「彼ならきっとこうしてくれるはず」
そんなふうに、つい、思ってしまう。
相手が自分といつもおなじであることを求めてしまう。
ときには、
「相手が自分とおなじ感覚を持って当然」
とまで思ってしまう。
このあたりが、どろどろ離婚に走る原因になるわけです。
実際には、いくら似た者同士でも、
100%まったくおなじ人間なんていませんよね。
ときどき意見が食い違っても当然のはずです。
冷静なときにはわかっているつもりのこのことを、
恋愛のときには、うっかり忘れてしまう。
「まさか彼がこんなふうに思うなんて」とか
「まさか彼がこんなことをするなんて」と、
と、嘆く気持ちが大きくなってしまうわけなんです。
そんなときには、どうぞ思い出してくださいな。
今はひとつのキャラメルも、
最初はふたつのキャラメルだったんだって。
そして、どんなに似ているキャラメルも、
メーカーが違えば原料も味も違うんだって。
もともとはふたつのキャラメル。
ひとつのキャラメルであり続けるためには、ある程度の熱が必要です。
お互いがお互いを思いやる愛情が必要なのです。
そして、その愛情とは、
「私たちは似た者同士よね」
という一心同体の気持ち、ではありません。
「相手と自分は違う人格なんだ」
と認識しながら、
相手の気持ちを尊重する愛情が必要なんです。
もしも今度、似た者同士の彼が、自分とは違う意見を話したときは、
「そういう考え方もいいよね」
と、まずは頷いてみてください。
そして、相手の意見を受け入れたあとに、
「でもね、私はこう思うんだ」
と、自分の意見を話してみてください。
いつもそういうスタンスで会話をすれば、
もっともっとなかよくなれるんじゃないかな。
もともと、近い価値観を持っているふたりなんだから。
せっかくめぐりあって、ぴったりくっついたキャラメル。
ずっと、一個のキャラメルでいられるために、
彼の味を尊重してあげてくださいね。
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