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今回の本の推薦者は読者のアヤさんです。「とっても面白かったです。ストーリーもさることながら主人公や周りの人間が際立っています。リアルで突き放したような感じがあるのに、そこに秘められた情念の深さを感じます。山本文緒さんの小説はどろどろした人間の汚い部分を乾いたタッチで描いているので好きです。よかったら読んでみてくださいね。」と、アヤさん。
「もう神様にお願いするのはやめよう。―どうか、どうか、私。これから先の人生、他人を愛しすぎないように。他人を愛するぐらいなら、自分自身を愛するように。哀しい祈りを貫きとおそうとする水無月。彼女の堅く閉ざされた心に、小説家創路は強引に踏み込んできた。人を愛することがなければこれほど苦しむ事もなかったのに。世界の一部にすぎないはずの恋が私のすべてをしばりつけるのはどうしてなんだろう。」主人公水無月のせつなくもまっすぐな恋の物語。吉川英治文学新人賞を受賞した恋愛小説の最高傑作です。
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