曖昧な関係はどこまで続くのだろう。
お互いがそれをヨシとしている限り、続くような気がしている。
終ったと言えば終った、終ってないと言えば終ってない人がいる。
彼に以前、「おまえは俺に似ているから信用できない」と言われたことがある。
なんて哀しく、なんて印象的な言葉だろうと思った。
冷静に考えて、なんて説得力のある言葉だろうと思った。
なぜなら私だって彼を信用していなかった。
いつ心変わりされるか分からないようなところがあったから。
似たもの同士の私たちゆえ、同じように彼も不安だったのだと思う。
また、これは終わりを示す言葉だと思った。
私たちは終るのだ、と。
でも私は彼が好きだった。男としても人間としても。
どんなカタチでも、一生繋がっていたいと、繋がっていられると思った。
それは、セックスなしでも。
やがて自然にそうなってゆく。
したくないのではない。したいけど敢えてしない間柄になる。
きっといつでも、その気になればセックスするのだ。でもしない。
可能性だけを持って、私たちは継続する。恋愛とも友情とも言い表せぬまま。
これが案外、心地いい。
恋愛に、モラルだとか常識など二の次だと思う私たちが、
あえてそれを意識しているところが。
そして私は新しい恋人ができようと、
それで満たされた状態であろうと、
彼の前で声高らかに歌うのだ。願いにも似た気持ちで。
「線路はつづくーよーどーこまでーもー♪」
彼もきっと心のなかで、同じ歌をうたってくれる。
|