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   私が恋をしない理由  - Essay - vol.3  …by笠松ゆみ
   
   ■ 2度目の恋〜彼は子供が嫌いだった〜
 
離婚後、初めての恋愛は、再婚するようなところまで盛り上がった恋も、彼の金銭面のだらしなさで終わってしまった。別れて2ヵ月くらいたった頃、心に深い傷を負った私に近寄ってきた人がいた。

2歳年下の会社員で真面目そのもの。5年くらい前にあるパーティーで知り合い、それからは、たまにご飯を食べる程度の間柄だった。
独身でマンションを持っており、収入も安定している。
音楽の趣味もよく合い、彼の車に乗って近郊をドライブに出かけたりした。

彼と会っているうちに、心の傷も癒え、元の明るい私に戻っていった。
半年くらい付き合って、だんだん彼の本性がみえてきた。
彼は子供が嫌いなのだ。
ある日、決定的な一言が彼の口から出た。
「ゆみのこと、愛してる。でも……子供さえいなけりゃな」
本当にショックな一言だった。

彼との交際で障害となるものは、私の子供たち……。
それは私にとって一番つらいことだった。よく、子どもを捨てて男に走る人がいるが、私にとってそれは信じられないことだ。どんなに素敵で、どんなに金持ちの男でも、子どもを捨てろと言われたら、百年の恋も冷めるというものだ。

私は子供たちを何より愛している。これはもしかして、神様がもたらした本能というものかもしれない。その本能は「彼氏が欲しい」という本能よりもはるかに強いのだ。

彼のことは本当に好きだった。優しくてかっこよかった。けど、子供たちも丸ごと愛してくれないのであれば、私はすっぱりとあきらめようと思った。
離婚後、二度目の恋も終焉を迎えた。

 
【プロフィール】
笠松ゆみ(かさまつゆみ)
SOHOWORKネット代表(http://www.sohowork.net)シングルマザー歴5年。
高校1年、中学3年生の息子と東京都内に在住。
   
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