全国の公立学校で、児童・生徒などに対する「わいせつ行為」で
懲戒免職になった教職員は昨年度、98人に上っていたことが
読売新聞社の調査でわかった。
大半の自治体ではわいせつ行為に対する処分基準を設けておらず、
免職より軽い停職程度で現場復帰を認めている自治体が
半数以上に及んでいることも初めて判明した。
○47都道府県と13政令市を対象にした調査結果
2002年度の懲戒処分 139人(非公開の広島市を除く)
このうち
免職 98人
停職、減給、戒告 41人
2003年度(10月末まで)の懲戒処分 75人
このうち免職 53人
○停職以下の処分を受けた教職員の処遇
・処分が済めば現場復帰はあり得る 34自治体
・このうち、復帰前に研修を課している 10自治体
・そのまま現場に戻っている 24自治体
参考資料:読売新聞朝刊(平成15年11月25日)
今年の初め、ドラマ『高校教師』(TBS)がリバイバルし、放映された。
ドラマの舞台は前作と同じ日向女子高校。
不治の病に侵された主人公の教師が赴任し、
生きる意味を考えてゆくストーリーだったが、
そこには前作の出演者だった藤村教諭(京本正樹)が…。
「なぜこの先生がいるの?」という疑問を持った視聴者は多かった。
ご存じのとおり、前作の藤村は視聴覚室で生徒をレイプし、
そのシーンを撮影したビデオをコレクションしていたが、
なぜか免職にならず、
10年間同じ高校で教鞭をとり、現在は学年主任になっていた。
『高校教師』公式サイト内にあった京本氏へのインタビューによると、
前作の最終回、藤村が屋上で号泣するシーンが示すとおり、
彼はこの10年間、罪の意識をずっと持ち続けていたのだろうと言う。
新シリーズでは「実は良い人だったのか?」と思わせる場面もあった。
しかし、結局藤村は生徒が付き合っていた男に刺されてしまう。
これは、“罰せられるべきものは罰せられる”という
脚本家の考えが背景にあったらしい。
以前から教え子との恋愛はあったし、
それが発展して結婚するケースも世の中には多い。
だが、最近は恋愛もできず、“偏愛”のケースが増えているようだ。
わいせつ行為が表沙汰になり、免職処分が増加したのは、
少子化で保護者の学校に対する目が厳しくなったためだという人もいるが、
実際にそういった行為をする教師が増加しているのも事実だろう。
教員採用は若干名で、ますます狭き門となった教職。
学校の成績が良いだけで採用され、
女性との付き合い方もわからず、女子高に赴任する男性教諭。
恋愛は自分の思いの中で空回りし、
やがて、自分の殻の中でバーチャルな世界へ発展していく。
そして、目の前にいるのは自分より弱い立場の児童・生徒たち…。
わいせつ行為があっても厳しく罰せられることもないまま現場復帰する、
藤村教諭、プチ藤村教諭があなたの近くにいるのかもしれない。
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