もっと愛してほしくて。
もっとやさしくしてほしくて。
彼に尽くしすぎてしまうときがある。
自分の本心をさらけだせず。
いつも何かを我慢しながら。
彼に尽くしすぎてしまうときがある。
でも、尽くしすぎると、
ふたりの距離を、
もっともっと、遠く、遠くしてしまう。
なぜなら、
尽くされる側は、
尽くされれば尽くされるほど、
重荷に感じるから。
尽くされたぶんの
お返しをしなくちゃと、
重荷に感じるから。
だからもう、あんまり尽くさない。
それで嫌われるなら、
それでもかまわない。
もっと自分に合う人と、
つきあえばいいだけだから。
・ ・ ・ ・ ・ ・
▼尽くすこと、好きですか?
「勝手な彼のことは、やさしく受けとめてあげるのが効果的」。前回は、そんなお話をしました。でも、だからといって、あんまり彼に尽くしすぎちゃうと、それはそれで、恋愛がうまくいかなくなってしまいます。
尽くす時って、大概、我慢が伴いますよね? 自分の本心とは違うことをしなくちゃいけない時が増えていって、「なぜ私ばっかりこんなに我慢しなくちゃいけないの」という不満がつのっていきますよね?
不満、というのはネガティブな気持ちです。そして、カップルの片方がネガティブな気持ちを持っていますと、相手もネガティブな気持ちになってしまいます。たとえ、あなたの不満の根本に「彼と本当はうまくいきたい」という気持ちがあったとしても。
もちろん中には、「私にとって、尽くすことは我慢じゃない。尽くすことが好きでたまらない」という人もいるでしょう。彼のために我慢をするのが私のしあわせ。そんな女性は、少なくありません。
しかし、どんなに本人が楽しくても、尽くしすぎるという行為は恋愛の崩壊に結びつくことが多いのです。それは、尽くされる側は、尽くされれば尽くされるほど、「お返しをしなければ」という義務の気持ちが生じてきて、それが「重荷」に感じるからです。
▼あなたはマゾヒスティック?
彼のために、尽くして我慢したい。この感情がとても強い人は、少々マゾヒスティックな面があるのかもしれません。
マゾヒスティックな人は、一見、サディスティックな人に振りまわされているように見えます。でも実は、自分で自分を悲劇のヒロインに仕立てて、心のどこかで、そんな自分をかわいいと思っているケースが多いのです。
こんなに彼のために我慢している私って、えらい。こんなに彼のためにつくしている私が、嫌われるはずがない。そう思うことで、安心しているわけです。
ところが、尽くした側が安心すればするほど、相手の人は重荷が増えていってしまうのです。
▼マゾヒスティックの理由
では、なぜ「尽くす」という行為で安心するのか。それは、その人が、「自分という人間には、愛される資格はない」と感じているからではないでしょうか。
もともと愛される資格がない自分。その自分を、愛される資格のある人間と思えるようになりたい。そのために、必要以上に相手に尽くしてしまうのです。
ときどき、しょっちゅう誰かにプレゼントをしないと気がすまないという人がいますよね? で、すごく大きなプレゼントなんかを贈ってしまう。このタイプの人も、尽くすタイプの人と気持ちの根本は一緒です。
愛されたいという思いは強いのだけれども、自分は相手よりも「下の立場」と思いこみ、愛される資格がないと思いこんでしまっている。そして、「上の立場」と思っている相手との距離を縮めたくて、プレゼントを山ほど贈ったり、尽くしすぎたりしてしまうのです。
▼愛される資格とは
でも、本来、愛される資格のない人なんて、この世にひとりもいない。私はそう思います。誰もが、生まれたときから、愛される資格を持っている。ですから、必要以上に誰かに尽くしたりする必要はまったくないわけです。
尽くしすぎてしまう傾向がある人は、まずは、自分は十分に愛される資格があるのだと、自分に言い聞かせてみましょう。そして、あまりに勝手な彼に対して、堪忍袋の尾が切れそうになったら……尽くすのではなく、今までとは違う行動をとってみてはどうでしょうか。
たとえば、自分から連絡をしたり、デートに誘うのを一定期間やめてみる。あなたの方から謝るのをやめてみる。デートに誘われたら、あなたが今度は遅刻してみる。そう、すこしだけ、相手を放っておくのです。
こうした態度をとったとき。男の人の態度は二極化していきます。
あせってあなたを追いかけ始めるかもしれませんし、そのまま連絡が途絶えて、終局に向かうかもしれません。そして、終局に向かうのであれば、それはそれでいいのではないかと私は思うのです。
なぜなら、あなたがちょっと行動を変えたくらいで、ちっとも連絡をくれなくなるとしたら、そもそも彼には本気であなたを思う気持ちがないということだからです。
そんな相手のために一生懸命になっても、都合のいい女以上にはなれません。
恋の終わりを想像するのは確かに怖いこと。だけど、それと同じくらい、いや、それ以上に、都合のいい女でいるのは辛いことではないでしょうか。
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