▼欲求と要求
「欲求するのはいいけれど、要求してはいけない」
先日、そんなお話を楽天日記に書いたのですが、
ご覧いただいた方、いらっしゃいますか?
今日は、その「欲求と要求」のお話を、
もう少し掘り下げて書いてみたいと思います。
さて、「よっきゅう」と「ようきゅう」…。
平仮名で書くとたった一文字違い。
辞書を引いてみると、どちらの言葉にも「求めること」という意味が
書いてありますし、一見とても似た言葉に感じますよね。
でも、このふたつの言葉の実際の使われ方を考えてみますと、
随分と意味が違うなあ…という気がします。
欲求という言葉は、
「こうなったらいいな」
「こうしたいな」
という個人の内部の気持ちをあらわすときに使うことが多いですよね。
一方、要求は、「他人に対して求める」という意味合いで使われることが
多いように思います。
▼欲求はしあわせのモト、要求はふしあわせのモト
こうして考えてみると、恋愛において「欲求」はしあわせのモトであり、
要求はふしあわせのモト、と言えるように思います。
彼や彼女に
「こうしてほしい」
と思うのはいいけれど。
「こうしてよ」
と要求しはじめたときに、恋がだんだん苦しくなっていく…。
そう思いませんか…?
人の心なんて、誰にも縛ることができないですよ。
だから、「こうしてほしい」と思っても、
相手が「こうしてくれる」とは限らない。
だから、「こうしてほしい」が大きければ大きいほど、
不満がつのってしまうものです。
かといって、恋人に対して何も求めない方がいいのかというと、
決してそういうわけではありません。
相手に多少の期待をかけてあげる方が、
お互いの関係がよくなるということが、
心理学の実験でも実証されているんです。
その実験とは…。
▼ピグマリオン効果は恋の特効薬
ある小学校では、クラスの全員に知能テストを受けてもらいました。
その後に、教師は無作為に選んだ2割の生徒に対してのみ、
「君は将来、学力が伸びるよ」
という内容を伝えたそうです。
さて、それから1年後。
ふたたび知能テストを実施したところ、
「学力が伸びる」
と言われた生徒の方が、ほかの生徒よりも知能テストの結果がよく、
学習意欲もアップしたのです。
こうした効果は、「ピグマリオン効果」と呼ばれています。
実験は子供を対象にしたものでしたが、大人にとっても同じことが言えるそう。
彼にお願いごとがあるときには、この「ピグマリオン効果」を上手に使って
みてはいかがでしょう。
たとえば、彼が浮気をしたとき。
「ちょっと、いい加減にしてよ。今度浮気したら絶対に許さないからね」
と言ったら、この言葉は要求になってしまい、逆効果です。
相手の人は、自分が悪いと思っていたとしても、
あなたの言葉に対して反発したくなってしまいます。
それよりも、
「いつも優しくしてくれてありがとう。でも、
私だけを好きでいてくれたら、もっと嬉しいんだけどな」
という、期待に満ちた言葉を投げかけてあげる方が、
何倍もの強さで彼の胸に響くのです。
彼に「こうして欲しい」という、あなたの中の「欲求」。
それを要求するのではなくて、期待してみてくださいね。
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