ヤマアラシ・ジレンマという言葉を聞いたことはありませんか?
寒い冬になると、ヤマアラシの夫婦はお互いの身体を温め合おうとして
近づくのですが、お互いのトゲが痛くてまた離れてしまいます。
でも、離れてしまうと寒いのでまた近づいていく…。
このヤマアラシの夫婦のように、
「近づいては離れる」ことをくりかえしてしまう心理を、
アメリカの精神分析医ベラックは、ヤマアラシ・ジレンマと名づけました。
「心の仮面をはずしたい。でもどうしてもはずせない」
そんなあなたは、ヤマアラシ・ジレンマに陥っているのかもしれません。
確かに、それほど親しくない相手から嫌われるよりも、
親しなった人から嫌われる方がつらいですものね。
それに、親しくなればなるほど、
ある程度は自分の願望をおさえなければならない場合もある。
せっかく時間をかけてふたりの関係を築いたのに、
その関係がだめになってしまったら…。
あれこれ考えてしまうのも、無理のない話なのかもしれません。
でも。
「傷つきたくないから、彼と本音では話さない」
「傷つきたくないから、最初から本気ではつきあわない」
それで心が満足すればいいのですが、実際には、
「もっと周囲とうまくコミュニケーションをとりたい」
という大きな悩みを抱えてしまっている人が多いように思います。
うわべだけの恋愛関係が続いていたら、
お互いの魅力を存分に伝え合うことができません。
恋も長続きはしません。
たとえ、恋愛時代はうわべだけの関係を続けられたとしても、
同棲したり結婚したりしたら、お互いのすべてを隠しあって
生きてはいけません。
それなら、最初から、深いコミュニケーションにチャレンジしてみる。
その方が、実りの多い恋愛になると思うのです。
傷つきたくないのは、誰でも一緒。
でも、心の距離を感じさせない人と話していると、
相手の人もリラックスしてきて、
飾らずに話してくれるようになります。
でも、それでも彼に本音を話せないとしたら。
まずは、身体の距離を縮めてみてはどうでしょう?
身体の距離といっても、それはセックスのことではなくって。
彼とデートしているときのふたりの間の距離を、
いつもよりちょっと縮めてみましょう、ということなんです。
彼と並んで歩くときは、いつもよりそばに寄りそってみる。
レストランで食事をするときには、小さめのテーブルのお店を選び、
ふたりの距離を近づけてみる。
バーのカウンターでお酒を飲むときは、ピッタリ隣りに座ってみる。
ふたりが恋人関係なら、距離の目安は45センチ以内。
「密接距離」と呼ばれるこの距離内で過ごしてみてください。
人間は、あまり親しくない相手がこの距離内に近づいてくると、
不快に感じます。
でも、親しい相手がこの距離にいると、むしろ、
「相手が自分に親しみを持っているんだな」
と感じて、うれしく思うものなんです。
ちなみに、45センチ〜1.2メートル離れる距離感は「個人距離」と
呼ばれていて、相手の人と友人関係を望むときにおすすめの距離感。
1.2〜3.6メートル以上離れた「社会距離」は、
ビジネスモードを望んでいる相手との距離感。
3.6メートル以上離れた「公衆距離」は、文字通り、
相手との個人的な関わりを望んでいない場合にとりたい距離感です。
つまり、あなたがいつも彼から45センチ以上離れていると、
相手の人は、
「自分には恋愛感情を持っていないのかな?」
と、感じてしまうかもしれないんです。
身体と心はつながっているもの。
身体の距離が近づけば、心もグッと近くなる。
会うときはいつも彼の近くにいて、
彼とのコミュニケーションを楽しんでくださいね。
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